u010@荻窪club Doctor

20251126.jpg26日。
数日前に誘われて、急遽出かける。
例によって(?)吉野家で腹ごしらえ。
1年半ぶりのclub Doctor。
俺は完全に場所を忘れていて、しかも伝家の宝刀・方向音痴がいかんなく発動され。
路上で偶然出会った出演者・u010のメンバーに案内してもらう。

一番手、桃鏡。
ギター兼ヴォーカル、ドラム兼コーラスの女性二人組。
和情緒を感じさせるフォーク・ロックというか。
時々シュール。
終盤にはギターを歪ませて疾走したりも。
面白かった。

二番手にお目当てのu010(幽霊塔)。
(画像)
以前同じclub Doctorに”坂元と寅一”として出演していた二人組。
トラこと寅一のベースに乗せて、シバこと坂元がポエトリー・リーディング。
今回のシバは完全にそらで詩を語っていた。
その表現は更に深化していたと思う。
そして元ゲルチュチュ・トラの自在なベース。
上手いなあ。
とてもナイスなステージでした。

三番手が虚構のクレーン。
ギロチンナイフ以来長きにわたって断続的にその活動に接しているアキラ(ベース)を擁する4人組。
「ズンドコ節」をはじめとする和のテイストと、舞踏を思わせるヴォーカリストの動き(凄い身体能力)と振り絞る歌唱で聴かせ、見せる渾身のパフォーマンス。
非常に良かった。
俺の前にいた車椅子の女性が、車椅子を前に後ろにと激しく動かしていた。
彼女は踊っていたのだと思う。
もちろん踊りまくっているお客は他にも何人もいた。

1年半ぶりの再会あり、数年ぶりの再会あり、(多分)約16年ぶりぐらいの再会あり。
残念ながらトリの渦を残して退出。
帰宅後いつも通り12時過ぎに寝たのでした。

THE ALLIGATOR BLUES@新宿red cloth

20251120.jpg20日。
このブログでも折に触れて紹介し続けてきたTHE ALLIGATOR BLUES、待望の新作アルバム『OUTSIDE BOOSTER』レコ発ライヴ。
なんと6年ぶりのred cloth。
昔は毎週のように出かけていたんだけどねえ。

フロアに入ると、VIOLETSが演奏中。
約2年半ぶりに観た。
(前回もTHE ALLIGATOR BLUESとの対バンだった)
以前に較べて渋くなった感もありつつ、老成とは無縁なR&R/ビート。
2本のギターのネックを交差させる、往年のBLUE OYSTER CULTみたいな(?)アクションも健在。


そしてこの夜の主役・THE ALLIGATOR BLUES(画像)。
2年ぶりに観た。
フロアの男女比は圧倒的に女性多数。
おや、ALLIGATOR BLUESってこんなに女性ファン多かったっけ。
内訳としては対バンのMagical SixxとVIOLETSのお客も多かったみたいだけど、ともあれ二人きりで鳴らされるソウル・ダイナマイトなロッキン・ブルーズに、場内大いに盛り上がりまくる。
本編約40分があっという間だった。

THE ALLIGATOR BLUESのスタートから既に15年。
ワニー(ギター、ヴォーカル)とベニー(ドラム、ヴォーカル)のコンビでも、もう10年以上やっている。
この二人での初の作品となった2014年のDVD-R「”moon flight beach”」(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1705.html)が11年前かあ。
そして、それだけ研ぎ澄まされてきたグルーヴ。

ベニーのドラムがステージ前方、斜め向きにセットされているのは非常に意味がある。
ドラマーのプレイをほとんど横から、近距離で見られることはそう多くないからね。
しかも強靭な手首から放たれるスネアのデカさよ。
本当にいいドラマーです。
(そしてMCもガンガンやるし歌も歌う)
もちろんワニーのスライドも冴えまくる。

アンコールでの10分近い「Love you tender」も圧巻。
ジョン・リー・フッカー直系の泥臭いブギーを、ここまでハードかつダンサブルに演れるのは日本でも彼らぐらいのモノだろう。
約50分、存分に楽しませてもらいました。


帰宅して即就寝。
今の俺は基本12時過ぎたらすぐ寝てしまうのだ。
(若い頃からは考えられんねえ)

「HEAVY METAL NIGHT」@六本木MAHARAJA

20250927.jpg27日。
2023年6月に続き、約2年ぶりに参加となった「HEAVY METAL NIGHT」@六本木MAHARAJA。
うわっ、そんなに開いちゃってたか。
今回ほとんど無理矢理予定空けて出かけたんだけど、行っといて良かったね。
(本当はこの6月にも行きたかったが、無理だった)

イヴェントは16時スタートだったが、俺がフロアに入ったのは17時台後半。
1週間前に会ったDJムラマツヒロキがスピンしていた。
3人のDJがそれぞれに80年代メタル(一部60~70年代ハード・ロックを含む)を回しまくる。

そしてエアギター&ヘッドバンギングに興じる人たち。
80年代のヘヴィ・メタル・ディスコほとんどそのまんまの世界がここにある。
フロアには知った顔もちらほら。
(美人さんに「もっと太って」と言われた)

で、MOTORHEADとかTHIN LIZZYとかJUDAS PRIESTとかだけじゃなくてBLUE OYSTER CULTまでかかるもんだからさ。
少なくなった髪を振り乱して暴れてましたよ。

何より3人のダンサーの妖艶な存在感。
素晴らしいですね。

過去2回は途中で退出していたが、今回は初めて20時のイヴェント終了までフロアにいた。
終了即退出、帰りの電車で晩飯食って、帰宅後即寝る。
疲れたけど楽しかったよ。

やっぱりメタルはええのう。
(前々回&前回と同じ締め)

STEVE HACKETT@六本木EXシアター

STEVE HACKETT.jpg本日。
2023年にカール・パーマーを観て以来、約1年半ぶりのEXシアター。
スティーヴ・ハケットを観た。

前日は19時開演だったが、今日と明日は17時開演。
地方民とお年寄りに優しい設定。
しかしまあ暑いこと。

昨年カナダのTHE MUSICAL BOXを観て、古色蒼然たるGENESISミュージックにシビレたが。
今度は正真正銘の元GENESISですよ。
ってかさあ、この2025年に、元GENESISメンバーの中で一番アクティヴなのがスティーヴ・ハケットだ…とか、30年前に言っても誰も信じなかったはずだぜ。
もう10回目の来日。
俺は生ハケットは初めて。

定刻ジャストに開演。
メンバーはスティーヴ・ハケット(ギター、ヴォーカル)、ナッド・シルヴァン(ヴォーカル)、ロジャー・キング(キーボード)、ヨナス・レインゴールド(ベース、ギター)、ロブ・タウンゼンド(サックス、フルート、キーボード)、クレイグ・ブランデル(ドラム)、そしてアマンダ・レーマン(ギター、ヴォーカル)。
まずはナッド抜きの6人が登場。
「People Of The Smoke」からスタート。
スティーヴ本人が歌う。
ソロでは早速ギロギロギロギロとタッピングが炸裂。
75歳というのに、指が動くこと動くこと。
見た目も若々しい。

続く「Circo Inferno」でナッド・シルヴァン登場。
スティーヴ・ハケットの斜め後ろの、なんとも言えん位置に立つんだよね。
ロブ・タウンゼンドの長いサックス・ソロがフィーチュアされる。
で、ハケット御大が手元の紙を見ながら一生懸命日本語でMCするんですよ。
「日本ニ戻ッテ来レテ嬉シイデス」みたいな。

ナッド・シルヴァンがハケてギターが泣くインストゥルメンタル「These Passing Clouds」。
アマンダ・レーマンがハケてナッドが戻り「Devil's Cathedral」。
このへんからスティーヴ・ハケットが「Thank you so muchゴザイマス」というMCを連発してウケる(笑)。

アマンダ・レーマンが戻って「Every Day」。
一際大きな歓声。
この曲の途中でナッド・シルヴァンが退場して、彼の第1部の出番はここまで。
アマンダもハケて、残る5人で「Tower Struck Down」。
そこからヨナス・レインゴールドのベース・ソロ。
クレイグ・ブランデルが加わってジミ・ヘンドリックス「Voodoo Child」イントロのフレーズで観客の手拍子を誘う。
バンドが戻って、スティーヴ・ハケット自身が歌う「Camino Royale」。
ロブ・タウンゼンドの長いサックス・ソロがフィーチュアされ、その間御大は座って休む…。
(その後凄いギター・ソロ)

そしてアマンダ・レーマンの素晴らしい歌声をフィーチュアした「Shadow of The Hierophant」で、スティーヴ・ハケットのソロ曲による第1部終了。
ここまで1時間弱。
25分休憩。
トイレに行ってバーでビールを買って喫煙所に行く。

25分とか言って、30分ぐらい出てこないかな…と思っていたら、本当に25分で暗転して第2部スタート。
ここからはもちろん(?)GENESIS大会だ。
あのピアノのイントロから「The Lamb Lies Down On Broadway」!
思わず「おおっ」となる。
そのまま「Fly On A Windshield」「Broadway Melody Of 1974」と、アルバム『THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY』冒頭の流れを再現。
ナッド・シルヴァンはお立ち台に立ったりするが、その台もステージ最後方なんだよね…。

一気にアルバムB面に飛んで「Hairless Heart」、そしてアマンダ・レーマンが登場してナッド・シルヴァンとのツイン・ヴォーカルを聴かせる「Carpet Crawlers」。
これまた「うおお」となる。
続いて「The Chamber Of 32 Doors」。

サックスにフルートにキーボードにと大活躍のロブ・タウンゼンドは、ピーター・ゲイブリエル時代のGENESISでフィル・コリンズが務めていたツイン・ヴォーカル/コーラス役も担当。
アルバムC面から「Lilywhite Lilith」「The Lamia」と来て、D面ラスト「It」で大盛り上がり。
ここまで約40分。
このへんは「ふーん、なるほど」と思いながら聴いていた。
例えばピーター・ゲイブリエルが今『THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY』から何曲か、40分でダイジェストにするとしたら、多分ここでのスティーヴ・ハケットとはかなり、ひょっとしたらまるっきり違う選曲になるのでは…とか思いながら。

そして「Supper's Ready」だ!
もちろん昨年THE MUSICAL BOXが70年代のオリジナル通りに演ったのを観ているが。
こっちは当のオリジナル・メンバーが、基本昔のヴァージョンを尊重しながらも、今のメンバーとテクノロジーとアレンジで再構築したヴァージョン。
30分近くあった。

それにしてもナッド・シルヴァン。
GENESIS曲のセットではめちゃくちゃピーター・ゲイブリエルに寄せた歌い方。
MUSICAL BOXのドニ・ガイエに決して負けてない。
そして単なるそっくりさんではなく、いいヴォーカリストだと思う。

あと、ヨナス・レインゴールドがスティーヴ・ハケットと一緒にギターを弾くパートとかを聴くと、PAGEANTがいかにGENESISから多大な影響を受けていたかということを改めて感じた。

ライヴ本編が終わった時点で19時35分。
うおお、アンコール1曲目が「Firth Of Fifth」。
クレイグ・ブランデルのドラム・ソロが5分ほどあって、そこからアマンダ・レーマンを含む6人で「Los Endos」。
2本のギターもロブ・タウンゼンドのサックスもフルに炸裂して、終盤に登場したナッド・シルヴァンのヴォーカルが全然聴こえなかったのはちょっと残念。

アンコールが終了した時点で20時を過ぎていた。
アンコール自体が30分近くあり、休憩はあったにせよ3時間を超えるライヴだった。
スティーヴ・ハケット75歳、すげえな。
「Watchers Of The Skies」はなかったけど、それでもお腹いっぱいでした。


帰宅してから夕食だと遅くなり過ぎるな…ということで、駅に向かう途中にあった「はなまるうどん」に入る。
…結局吉野家ホールディングスかい!
ともあれ、もう寝ます。

「DIRTY SCUM PARADE Vol.9」@新宿ANTIKNOCK

DIRTY SCUM PARADE.jpg17日。
流血ブリザードの主催イヴェント「DIRTY SCUM PARADE Vol.9」。
今回は現ベーシスト、スーザン・ボ・イールの生誕祭。
流血ブリザードのライヴは折に触れて観ているが(前回は昨年10月)、「DIRTY SCUM PARADE」は2018年のVol.3以来7年ぶりなのだった。

例によってANTIKNOCK近くの吉野家で早めに腹ごしらえ。
昨年12月以来のANTIKNOCK。
開演間際にフロアに入る。

一番手、絆創攻。
かなり若そうな4人組。
やさぐれた雰囲気ながら、時にポップ。
中盤にスカの曲があって「おっ」っと思う。
と思ったら、終盤には青春パンクみたいな(?)キャッチーな曲も。

二番手はTHE ERECTiONS。
名前は昔から知っていたが、初めて観た。
トリオ編成ならではの軽くて隙間の多いアンサンブルで、やる気があるのかないのかわからないような(?)軽妙にしてスリリングなステージ。
23年も活動しているのに(!)アルバムを出していなかったのが、遂にアルバムをレコーディングするのだという。

三番手にMADONNA。
アメリカのあの人じゃありません、大阪のバンドです。
”愛パンク”を標榜しつつ、凄い勢いでぶっ飛ばす。
大いに盛り上がる。

トリ前がSLIGHT SLAPPERS。
15年ぶり(!)に観たのだが…(見た目はともかくとして)全然変わってなかった。
暴風のようなパワー・ヴァイオレンス、10分ちょっとのステージ。


そして流血ブリザード。
前回観た時はドラムがサポートだったが、今回はセクシーダイナマイトプッシーガロアⅧ世が骨折から復帰。
(プレイに問題なさそうでよかった)
次々と繰り出される名曲・代表曲の数々。
そしてミリー・バイソン(ギター)の尻にはいつもの”売女“ではなく”酢参”(スーザン)とある。

先月のイギー・ポップでさえちょっと後ろの方で観たのに、流血ブリザードのライヴではつい前の方に行ってしまう。
しかしいろいろなモノが飛び交い、人がぶつかってきて「腰が…」となり、途中で後ろに下がった(苦笑)。
ダーティーでスカムなハードコア/パンクでありつつ、ファンや対バンに対する感謝や謙虚さがMCの端々からにじむ。
憎めない人たちだよねえ。

アンコール、裸に近いユダ様が晩年のGGアリンを模したスタイル(体に塗りたくったうんこのように見えたのは、多分チョコソースとかだろう)でGGのカヴァー「Bite It You Scum」を披露。
ラストはもちろん「I Love Me」。
今回も楽しいライヴでした。


しかし終演後、余韻を楽しむ間もなくすぐに退出。
(遠いんでね)
そして帰路、小銭入れを紛失。
前々日に1000円落としたばかりというのに…。
いろいろ終わってんなあ。

楠木康平@エルミこうのす

20250430.jpg4月30日。

前夜に渋谷で飲んだら、財布に1000円ちょっとしかなくなった。
30日は出版社からお金が振り込まれているはず。

駅前のATMで金を下ろし、駅ビルを抜けていこうと思ったら。
あら、インストアライヴが始まった。

インストアライヴ、5年ぶりに観た。
そうか、前回はコロナ禍の前じゃないか。

楠木康平という人。
全然知らない。
それもそのはず、MCを聞けばこの1月15日にデビューしたばかりというド新人。
2001年生まれの23歳。
福島県郡山市出身。
23年の日本クラウンの新人オーディションで準グランプリを獲得したのだそうで。
客席は満員で、サイリウムを持った女性も多い。

いわゆる演歌/ムード歌謡。
ありがちと言えばありがちな感じ。
しかし、キャッチフレーズが”魅惑の裏声ボイス”。
なるほど、随所にファルセットが入る。

驚いたのは、オヨネーズ80年代の大ヒット曲「麦畑」のカヴァー。
一人で男声と女声のパートを、地声とファルセットで歌い分けるのである。
コレはお見事。

物腰や話し方など、中性的な感じ。
同じ場所で10年近く前に観た観月ゆうじもそうだったけど、演歌系で性別不明っぽいキャラって、氷川きよし以来の流れとしてあるのだろうか。
あとこれまた観月ゆうじ同様、歌いながら客席に分け入って観客と握手して回っていた。

MCも新人離れしたよどみないモノで、デビューから3ヵ月半ほどの間にキャンペーンでショッピングモールなどを廻って相当の場数を踏んでいるであろうことが窺われた。
”魅惑の裏声ボイス”を磨いて紅白を目指していただきたいですね。

彼に限らず、地道な営業を続ける未来のスターたちに幸あれと。

IGGY POP@有明GARDEN THEATER

IGGY POP 2025.jpg2日。
行ってきましたイギー・ポップ。
ライヴ盤『TELLURIC CHAOS』(https://lsdblog.seesaa.net/article/202107article_17.html)に収録された2004年3月22日・渋谷AXでのTHE STOOGES以来、実に21年ぶり(!)の生イギーだった。

自宅を出てから2時間近くかかって有明にたどり着く。
東京GARDEN THEATER。
ガーデンなんとかってのは全部恵比寿にあると思ってたから、アクセスを確認して「あ、有明?」となったよ(笑)。
入場前に、隣接する商業ビルに入ったんだけど、そこでもイギー・ポップの曲が流れている。
気が利いてるじゃん。
で、入場して場内を確認する。
喫煙所があるのが嬉しい。
フロアでは主にガレージ・パンクが流れている。

相当数の知り合いが来ているはずだったが、何しろデカいハコで、人も多い。
結局6人しか会わなかった。
(もう一人遠目に見かけたけど)

やはりというか、当日券が出ていた。
”パンクのゴッドファーザー”イギー・ポップといえど、日本ではキャパ8000人の会場を埋めるのは難しいか…と思ったのだが。
開演時刻が近付くにつれて人がひしめくフロア。
それでも、前に行きたい人、後ろで観たい人、それぞれ好きな位置に立てるだけの隙間はあったと思う。

定刻の19時ジャストにオープニング・アクトのザ・クロマニヨンズが登場。
公演の直前になって彼らの出演が決定したのは、やはり前売りチケットの売れ行きが思わしくなかったからでは、と推測する。
甲本ヒロトは20年近く前に某所で見かけたことがあったのだが、ライヴを観るのは初めて。
THE BLUE HEARTSのデビューからもう40年近く経っているのに、ヒロトとマーシーの見た目にあまり変化が感じられないのは凄いね。
「どんどんやらせてくれ!」と言いながら約25分を駆け抜けた。

ザ・クロマニヨンズの演奏が終わるのと同時にロビーに出て、トイレを済ませてビールを買おうとしたら。
1階のドリンクカウンターは開演と同時に終了したという。
「ふ、ふざけんな!」と思ったが、2階(バルコニー席の入り口があるフロア)でもドリンクやフードを売っていた。
どうにか生ビール(800円)をゲット。
俺は身長があるせいで前とか真ん中とかに行くとかなり邪魔になるので(あとステージ前でギチギチになって観るのとかもう無理…)、それなりに前だけど脇の方、でフェンスにもたれる。
(それでも2004年にTHE STOOGESを観た時よりかはかなり前の方)

ザ・クロマニヨンズがはけてから約30分、20時を待たずに暗転。
(思ったより早い)
バンドのメンバー(ギター2本と2管のホーンズを含む7人という、過去のイギー・ポップのバック・バンドでも類を見ない大人数)に続いて、遂にイギー御大登場。
”ろおおおおおお!!”という叫びから、「T.V.Eye」がスタート。
おおお、『TV EYE 1977 LIVE』(1978年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201708article_27.html)を思い出させるではないですか。
登場時には黒いベストを着ていたイギー、歌い出す前にベストを脱いで上半身裸に。
(何故着て出てくる…)
そして「Raw Power」「I Got A Right」と、70年代初頭から前半にかけてのTHE STOOGES/IGGY AND THE STOOGES楽曲が続く。
キーボードは俺が89年1月(36年前!)に初めてイギーのライヴを観た時にも帯同していたシーマス・ビーゲン(元MADNESS)。
「Raw Power」では、”キンキンキンキキン♪”と鳴っていた、アルバム『RAW POWER』(73年)でのピアノの音がそのまま再現されている。

それにしても。
元々小さかったイギー・ポップ、更に縮んでいるな。
皮膚にはたるみが目立ち(一方で肩の筋肉は盛り上がっている…)。
何より、片足を引きずってぎっこんぎっこんと歩くその姿。
イギーは背骨が曲がっているだけでなく、左右の脚の長さがかなり違っているということはよく知られていると思うが。
1989年のイギーはもの凄いスピードで走っていたし、2004年に観た時もけっこうな勢いで動き回っていた。
しかし今はそうではない。
”びっこ”を引き引き歩く姿は、痛々しくさえ見える。
何しろ47年生まれ、今月78歳という、尾木ママや泉ピン子や岸部一徳と同い年(!)のおじいちゃんなのだ。

だがしかし。
それでもイギー・ポップは、間違いなくイギー・ポップなのだった。
観客とともに”Fuck”を連呼(笑)。
そこからの「Gimme Danger」。
1972~73年頃の裏返るような高音こそ出さないものの、50年以上前のどの曲もまったく問題なく歌いこなす。
しかも「Gimme Danger」のようなスロー/ミドル系では、かつてなかったほどの深みある声を聴かせるのだ。
ただ者ではない、と言うよりも、かなりとんでもない。

ここで初めてソロのレパートリー「The Passenger」。
シーマス・ビーゲンのオルガン・ソロが入るアレンジ。
イギー・ポップ2019年のアルバム『FREE』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201910article_6.html)のプロデューサーでもあるレロン・トーマス(トランペット)とコリー・キング(トロンボーン)のホーンズがフィーチュアされると、観客の”ら~ら~ら~ら~らららら~♪”という大合唱が起きる。
続いて「Lust For Life」。
イギーは観客の手を引いてステージ上に引っ張り上げようとしている様に見えたが、逆に倒れ込む。
すぐに飛んでくるスタッフ。
そしてこのあたりからステージに上がったりクラウドサーフしたりする観客が出始める。

「Death Trip」から「Loose」。
ここでもイギー・ポップはフロアにダイヴするというより偶然落ちた様に見える。
やはりすぐにスタッフが飛んできてステージに引き戻される。
昔の様に観客の頭上をサーフし続けることはない。
しかしイギーはどんな状態になってもマイクを手放さず、歌い続ける。
そして「I Wanna Be Your Dog」「Search And Destroy」「Down On The Street」「1970」とTHE STOOGES/IGGY AND THE STOOGES問答無用の定番曲が続く。
ところでこのへんの曲にホーンズって…ひょっとしてイギーはSTOOGES楽曲をブラスでカヴァーするTHE RIDICULOUS TRIO(https://lsdblog.seesaa.net/article/201703article_13.html)を聴いていただろうか?
(あとホーンズはコーラスも担当していた)

更に全然定番曲ではない(?)IGGY AND THE STOOGES「I'm Sick Of You」。
1993年頃のライヴでは演奏されていたものの、近年のステージでは聴かれなかったのでは、と思われる1曲。
THE STOOGES以来、イギー・ポップのバンドはギター1本のことがほとんどだったが(あとはキーボードと兼任だったりイギー自身がギターを弾いたり)、最近ギター2本の編成(今回リード・ギターは基本的にYEAH YEAH YEAHSのニック・ジマー)になっているのは大正解で、多くの曲でスタジオ作を再現するかのようなサウンドを聴くことが出来た。

一方でTHE STOOGESをはじめ、80年代頃までのイギー・ポップが組んできたバンドのような、イギーと演奏陣の有機的/自発的な絡み合いのようなモノは、流石にもうあまり期待出来ないのだなと思ったりも。
本当に素晴らしいプレイだったけれど、あくまできちんとアレンジされた”バック・バンド”の演奏だ。
でもそれに対して不満を言っても詮無かろう。
とにかく完璧な演奏陣を従えた、イギーの素晴らしい歌を楽しめばよい。
何しろ俺が1989年に初めて観た時からもう36年も経っているのに、おじいちゃんのイギー、イケてる声だけじゃなく、ますますかわいくてチャーミングなんだから。

ここでソロのレパートリーに戻り、イギー・ポップが椅子に座っての「Some Weird Sin」。
そこからいきなりハードな「Frenzy」。
ここまでの最新作『EVERY LOSER』(2023年:https://lsdblog.seesaa.net/article/497037591.html)から。
そして、短い集団即興に「Nightclubbing」の音源がかぶさる。
(ここはぶっちゃけ、そのまんま「Nightclubbing」を演ってくれればな、と思った)
続いて演奏された曲だけ、正直「コレなんだっけ…?」となった。
ああ、『EVERY LOSER』の「Modern Day Rip-Off」か。

そして『NEW VALUES』(1979年)からの「I'm Bored」(イギー・ポップがマイクスタンドをぶん投げる!)に、『BLAH-BLAH-BLAH』(86年)からの「Real Wild Child」。
3日前のフェスティヴァル「PUNKSPRING」では「Frenzy」あたりからノリ切れない観客が見られたとかいうが、イギーのファンだけが大量に詰めかけたこの日の単独ライヴではあまり有名じゃないソロ作の曲でも大盛り上がりだ。
(いや、「Real Wild Child」は当時そこそこヒットしている)
イギーはマイクをぶん投げたりステージから降りたり、いよいよ最高潮。
昔の様にお客をどんどんステージに上げたり、「PUNKSPRING」の様にフロアを練り歩いたりではなかったものの、イギーも観客もヒートアップ。

その後イギー・ポップもバンドもステージを去ることなくアンコールに入る。
(ぶっちゃけ今のイギーには、いったん引っ込んでまた出て来る方が逆にしんどいのではと思われる)
『NEW VALUES』の「Five Foot One」から、THE STOOGES「L.A.Blues」的な集団即興。
ここまで1時間半。
77歳のおじいちゃんが裸で暴れるだけじゃなく素晴らしい歌を聴かせる、夢のような1時間半でした。

個人的には…ホーンズをフィーチュアした編成なら、『BRICK BY BRICK』(1990年)からの「Home」とかを演ってほしかった。
絶対カッコよかったはず。
まあそれはそれとして。


コロナ禍以降いつでもとにかく早く帰って早く寝たい俺なのだが、この日ばかりはまっすぐ帰る気になれず。
行きは新橋からゆりかもめだったんだけど、帰りは国際展示場からりんかい線に乗って新宿に移動し、ゴールデン街でちょっとだけ飲んで帰宅。
帰って更に飲みました。


1989年に初めてイギー・ポップのライヴを観て「ああ、もう死んでもいい!」と思った。
2004年に再結成THE STOOGESを観て、やっぱり「ああ、もう死んでもいい!」と思った。
2025年に4回目のイギーを観て…「よし、もうちょっと生きるぞ、死ぬまで生きるぞ」と思っている俺がいる(笑)。

HERE@恵比寿LIQUID ROOM

HARMONIZEDE IN CHAOS.jpg本日。
HEREの主催イヴェント「HARMONIZED IN CHAOS」。
多分5年ぶりのLIQUID ROOM。

一番手がHERE、その次がアルカラだったとのこと。
俺は開演に間に合わず、アルカラの終盤から観る。
ステージにはあらかじめ全バンドの機材がセットされ(ドラムセットが3台並んでいる!)。
アルカラの演奏が終わると、疋田武史のドラム・ソロに合わせてHEREの尾形回帰とHEREのベース(サポート)壱が登場。
コレが尾形のソロ・プロジェクト尾形回帰+現象…と思ったら、数曲演って尾形の弾き語りになり、そして9mm parabellum bulletのメンバーが登場する。
尾形が退場すると、9mm parabellum bulletのアコースティック・ヴァージョン・AC 9mmのステージに。
今回のイヴェント、このように、次々にメンバーが登場してシームレスに進んでいくのである。

AC 9mmの演奏が終わるのと同時にHEREのメンバーが登場し、続く菅原卓郎ソロはHEREがバックアップする。
そして菅原の退場と同時に尾形回帰がステージに戻り、タイムテーブルの約6分押しでHERE2回目のステージとなる。
約2年ぶりのHERE。
もうすぐ45歳になるという尾形.
HEREの1stアルバム『死ぬくらい大好き愛してるバカみたい』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1185.html)から既に12年経っている。
果たして「死ぬくらい大好き愛してるバカみたい」、サビの高音が歌えてない。
声が衰えたか?…と思ったが、フォトグラファーT畠氏曰く、1回目の出番からペース配分が間違っていたとのこと(笑)。
HEREらしいねえ。

ともあれ後半は「死ぬくらい大好き愛してるバカみたい」「己 STAND UP」「LET'S GO CRAZY」と超ハイテンションなグラム歌謡ポップ連発。
そしてAC 9mm、アルカラ、HEREと各バンドが1曲ずつアンコール。
最後は9mm、アルカラのメンバーを交えたトリプル・ヴォーカル&ツイン・ドラムで「はっきよい」。
(この際正直トリプル・ドラムが観たかったが。ステージ上に3台のドラムセットが並んでいる様は、ほとんど近年のKING CRIMSON)

この特殊な(?)イヴェント、今後定期化したいとのこと。
是非そうして欲しいですね。

「第22回白門さぎそうチャリティーコンサート」@成城ホール

20250322.jpg本日。
機会がありまして、中央大学のOB会・中央大学学員会の世田谷支部「世田谷区白門会」が主催するチャリティ・コンサートに行ってきましたよ。

開始直後、世田谷区長があいさつしているタイミングで会場に入る。
おお、けっこうお客さんいっぱい。
何しろコロナ禍での中断はありつつも、もう22回もやってるっていうんだから。

まずは世田谷区明正小学校合唱団の合唱。
3~6年生の有志による、「七つの子」他、楽しく元気な歌。

続いて知的障害者の作業所「上町工房」利用者によるフラダンス。
踊りは決してそろっていないが、それでイイ。
MCやギターの伴奏は施設の職員が担当していた。
時間が巻いていたので、アンコールあり。

次に世田谷区立砧中学校吹奏楽部。
既に卒業した3年生も交えて、今年度最後の演奏。
「学園天国」や「風になりたい」も含む、幅広い選曲。
MCでは「学園天国」を”小泉今日子さんの”と言っていたが、その後司会者が話した通り、俺らの世代にはフィンガー5だよね…(笑)。
ともあれ中学生のコンクールだけでなく地域イヴェントにも積極的に出ている吹奏楽部、演奏力は高い。
演奏後、卒業生の中には涙をぬぐう姿も。

そしてトリは中央大学 スウィング クリスタル オーケストラ(中央大学学友会文化連盟音楽研究会スウィング部)。
創部から83年という歴史あるビッグ・バンド…ってかOBに谷啓がいるのか!
(1942年創部ということになるので、当時は創部してからすぐに敵性音楽とかいって活動休止になっていたのだろうなあ)
コンクールでの受賞歴も多く、演奏力はもちろん1級。
で、「In The Mood」や「Take The A Train」といったスウィング・ジャズ/ビッグ・バンドのスタンダードだけじゃなく、レイ・チャールズの「I Can't Stop Loving You」やマンボも。
ドラムなど各楽器のソロもキレッキレ。
ここで演奏しているメンバーの中にも、将来のプロ・ミュージシャンがいるかも知れない。

最後はスウィング クリスタル オーケストラと砧中学校吹奏楽部の合同演奏(画像)で、観客を含むみんなで歌う「ふるさと」。
(毎回の恒例らしい)
もちろん俺も一生懸命歌いましたよ。

週末の午後、(もちろん)酒も煙草もなしの3時間だったけど、それはそれで楽しかったのです。
たまにはこういうのもイイね。


ちなみにイヴェント名の”さぎそう”というのは植物図鑑には必ず載っているサギみたいな白い花を咲かせる植物で、昭和43年に世田谷区の”区の花”に制定されたんだけど、残念ながら今の世田谷区内にはもうサギソウは生えていないのだという。

WARLORD@新宿HOLIDAY

WARLORD.jpg15日。
エピック・メタルの始祖のひとつであるWARLORDが、まさかの来日。

オープニング・アクトその1・MIKE VESCERA'S CRASH AND BURN。
LOUDNESSやイングヴェイ・マルムスティーンで知られるマイク・ヴェセーラが10年ぶりに来日。
ILLUSION FORCEのベーシストを含む日米混成のバックを従えて、全員が白塗りメイクでANIMETAL USAの曲を演る。
『タッチ』とか『エヴァンゲリオン』とか『聖闘士星矢』とか。
30分のセットにドラム・ソロまで入っていた。

オープニング・アクトその2・MinstreliX。
大阪の4人組。
中性的な容姿と声のヴォーカリスト(バンド名通り吟遊詩人風の衣装。基本メタルっぽくない声質と唱法ながら、曲の最後に超絶ハイトーンを聴かせる)をフィーチュア。
ギターが凄く上手い。
約40分。


そして19時35分頃にWARLORDが登場。
WARLORD…と言っても、ほとんどバンドその人だったウィリアム・J・ツァミス(ギター)は4年前に亡くなっていて。
オリジナル・メンバーはマーク・ゾンダー(ドラム:元FATES WARNING)のみ。
2013年当時のメンバーだったジャイルズ・ラヴェリー(ヴォーカル)や、ALCATRAZZ(!)のジミー・ウォルドー(キーボード)らをフィーチュアした、ツイン・ギターの6人編成。
HOLIDAYの小さいステージはメンバーでいっぱいだ。
マークを除けば最古参であるフィリップ・バイノー(ベース)が元ALCATRAZZのスティーヴ・ヴァイのバンドにいたことは、何だか皮肉。

しかし、現在のWARLORDも確かにWARLORDであった。
次々に繰り出される名作『DELIVER US』(1983年)からの楽曲。
「Black Mass」とか「Child Of The Damned」とか。
しかもジャイルズ・ラヴェリー(もっさりした見た目に反し、歌もステージ運びもかなり上手い)、『DELIVER US』楽曲では当時のシンガー、ダミアン・キングにかなり寄せたっぽい歌い方で。
そりゃ盛り上がるよね。
(ただし『DELIVER US』のシケシケな感じは流石に薄く、今っぽい音になっていた)
メンバー中、日本で一番有名と思われる(?)ジミー・ウォルドーは、後ろに控えて堅実なバッキング。

で、マーク・ゾンダー。
短髪で薄毛のおじいちゃん。
(来月67歳)
頭の位置がもの凄く低い。
かなり小柄なようだ。
そしてレギュラー・グリップ。
(ANVILのロブ・ライナー同様)
小さな金物類こそ多いものの、タムはひとつしかない。
見た目だけだと何だかジャズ・ドラマーみたい。
しかしツイン・ペダルを”ドドドドド”と踏みまくる…。

俺はライヴの間、半分はマーク・ゾンダーを見ていたと思う。
スネアとタムとフロアタムで”タカタカダカドコ”というオカズを連発するだけでなく、ツイン・ペダルと多数の金物類(カウベル含む)も組み合わせて、縦横無尽に叩きまくる。
そして、演奏を終えて前に出てきたマーク、本当に小さかった。
半ズボンの小柄なおじいちゃん。
あのおじいちゃんがあのドラムを叩いていたのか…!
WARLORDがエピック・メタルの祖である一方で、マークはプログレ・メタルの重要人物の一人でもある。
いやあ、いいもん見ました。

約1時間半、アンコールなし。
(現メンバーでライヴで演奏出来る曲は演り尽くした、ってことはなかったはずだが)
客電がついたら即退出して帰ってすぐ寝ました。

残念だったのは観客がかなり少なかったこと。
ライヴの内容はとても良かったし、2日目の今日はもっとお客が増えていたならイイな、と思う。