
15日。
遂に実現したDEMON/TYTAN/THE PAUL GASKIN PROJECT…という、いずれも初来日となるNew Wave Of British Heavy Metal勢3組の公演。
当初2020年5月に予定されていたのが、コロナ禍の影響で20年8月、10月、21年4月…と延期を繰り返し。
もう無理なんじゃねえかな、もし本当に実現したとしてもその時俺の懐具合は?…などと思っておりました。
しかし、遂に実現!
EL ZINE VOL.50(
https://lsdblog.seesaa.net/article/202108article_22.html)でDEMONを特集した身としては、コレを見逃せるはずもない…。
NWOBHM系バンドのライヴとしては、コロナ禍前の19年9月に観たOLIVER DAWSON SAXON(
https://lsdblog.seesaa.net/article/201909article_7.html)以来、5年ぶりとなった。
で、BULLDOZERの来日(
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_312.html)から、実に14年ぶりとなる新宿HOLIDAY。
BULLDOZERのライヴでは混んでいて暑いながらもとりあえずサークルモッシュが起きる程度には隙間があったフロア、今回は立錐の余地もなく。
高齢のNWOBHMマニア(あっ、俺もか)がひしめいている。
定刻の18時を5分ほど過ぎて、一番手のTHE PAUL GASKIN PROJECTが登場。
GASKINというバンド名ではないことからも明らかな通り、単身来日したポール・ガスキン(ギター、ヴォーカル)を、JERO(ギター:ABIGAIL)他の日本勢がバックアップするという形態での4人編成。
袖なしの白いパーカという奇妙ないでたちのポール、スキンヘッドでヒゲも白く、「お前は誰だ」というルックス。
(65歳とのこと)
しかし「Burning Alive」から始まったライヴ、ヴォーカルにははっきり衰えが感じられるものの、ギターの腕前はそれなりに維持。
「Sweet Dream Maker」「End Of The World」「I'm No Fool」などの名曲を6曲連発し、30分で終了。
GASKINの曲の良さを改めて痛感。
(曲に関して言えば、俺はTYTANよりGASKINの方が好きだなあ、と改めて思った)
セットチェンジが20分ほどあって、18時55分頃に二番手のTYTANが登場。
キーボードを含む5人編成。
オリジナル・メンバーはケヴィン・リドルズ(ベース:68歳という)一人。
GASKINもそうだが、ぶっちゃけ近年の活動はあんまりチェックしていなかった。
したら、コロコロ太った小さいおっさん、トニー・コールダムが歌い出した瞬間、「うわっ、上手い!」となった。
2012年に再編して以降、活動を続けているバンド…の現役ぶりを見せつけた。
セットリストには「Fight The Fight」「Love You To Death」といった近年の楽曲も組み込まれ、充分にウケていたし。
で、結成から43年経って訪れた日本でのファンの歓迎ぶりに感極まったケヴィン、MCの度にマジ泣き(!)。
もらい泣きしたファンは多かったに違いない。
代表曲「Cold Bitch」では、なんとオリジナル・ドラマーのデイヴ・デュフォートが登場。
この時ステージには、ANGEL WITCHのかつてのリズム・セクションがそろっていたことになる。
あとMCで、露骨にLED ZEPPELINっぽい「Rude Awakening」がやっぱり「Kashmir」の影響下にあったとネタばらしをしていた。
(多分)12曲、約55分演奏。
そして25分ほどのセットチェンジを経て、20時15分頃にトリのDEMONのステージ開始。
”Rise…Rise…”という有名なSEに続き、ギター2本にキーボードを含む演奏陣が盛り上げた後、例の悪魔マスクを着けたデイヴ・ヒル(ヴォーカル)が登場。
(流石に棺桶からは出て来なかった)
1曲目はもちろん、1981年の1stアルバム『NIGHT OF THE DEMON』(
https://lsdblog.seesaa.net/article/201907article_31.html)のタイトル曲「Night Of The Demon」だ。
何を演るのだろうか、と思っていた。
初期2作を中心としたセットでもそれはそれで嬉しいが、彼らはコンスタントにアルバムをリリースし続けているバンドだ。
果たして、名作3rdアルバム『THE PLAGUE』(1983年)から「The Plague」「Nowhere To Run」が続けて演奏され、「うおおおおお」となる。
しかし「Nowhere To Run」は普段あまり演奏していないのかも知れない…デイヴ・ヒルが入りを思い切り間違えていた。
ともあれ、リリースされたばかりの新作『INVINCIBLE』から「Face The Master」も。
やはりDEMONは紛れもない現役バンドなのである。
セットが進んでも黒いコートを脱がないデイヴは、更に帽子とサングラスまで着用。
『THE PLAGUE』楽曲だけではなかった。
元DISCHARGEのメンバーを含む1989年の名作『TAKING THE WORLD BY STORM』の「Remembrance Day」や87年の『BREAKOUT』からの「Life On The Wire」なども披露。
そして『NIGHT OF THE DEMON』からの「Liar」、82年の2ndアルバム『UNEXPECTED GUEST』からの「Don't Break The Circle」。
バンドはそのままアンコールに突入し、演奏されるのはもちろん代表曲中の代表曲「One Helluva Night」(
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_484.html)。
この曲を含め、デイヴ・ヒルがメロデイをフェイクしているところがやや目立ったものの、来月77歳(!)になるデイヴ、これだけ歌えるのは大したモノだ。
(なんと60年代から活動しているデイヴ、DEMON結成の時点で32歳だったという)
15年前に観たANGEL WITCH(
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_21.html)の「Angel Witch」同様、途中でフロア全員によるハンドクラップ大会となる。
みんなこの日を待っていたに違いない。
アンコール含め(多分)12曲、約1時間15分のステージだった。
俺は終了と同時に退出してしまったが(何しろコロナ禍以降、基本12時過ぎには寝てしまう生活なので…)、フロアでは出演バンドのメンバーがサインに応じたりと、ファンとの交歓が続いたという。
この組み合わせの来日公演は、多分二度とないだろう。
基本的には昔のバンドによるオールド・ファンのための夕べだったとはいえ、その多くが人生の後半を迎えているNWOBHMファンにとって、一生ものの体験になったはずだ。