新たにマスタリングされているそうです。
以前このブログでZAPPの『V』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1162.html)を紹介した時に書いたけど、80年代はプリンスを聴いてた。
一番好きなアルバムはサイケデリックな『AROUND THE WORLD IN A DAY』(1985年)。
『LOVESEXY』(88年)までは追ってたものの、90年代に入っていったん改名したあたりでついて行けなくなり、そのまま現在に至る。
この映画は同名のアルバム『SIGN“☮”THE TIMES』(87年:全米6位)とリンクしたモノだから、俺が大好きだった頃のプリンスが全開になってる。
(日本で初公開されたのは89年だそうだが、当時は観てない)
プリンスのことだから(?)想像付くと思うけど、単なるライヴの映画じゃなくて。
1987年5月から行われた“SIGN“☮”THE TIMES TOUR”のうちの、6月26~28日のオランダ・ロッテルダム公演と、29日ベルギー・アントワープ公演の模様に、ミネアポリスのペイズリー・パーク・スタジオで撮影された追加シーン(小芝居)を追加。
ライヴの流れに、ちょっとだけストーリー性も加えたような作りになっている。
最初に寸劇のシーンがあって、ライヴがスタート。
プリンスのギター&ヴォーカルとキーボードとダンサーだけで進行する「Sign“☮”The Times」の演奏中、シーラ・Eを先頭にメンバーたちが太鼓を叩きながら行進してくる、コレだけでもう「おおお」となります。
そう、この時のプリンスのバンドは、ドラマーがシーラ・E。
かなりフィーチュアされてます。
タイトなドラミングもさることながら、なにしろ絵になる姐さん。
中盤にプリンス抜きで演奏される「Now's The Time」(チャーリー・パーカーを思いっきりポップにカヴァー)があるんだけど、各メンバーのソロ回しの後、シーラの強烈なドラム・ソロで全部持っていく。
(スラッシュ・メタルばりのツーバスドカドカもあり)
終盤の「Beautiful Night」ではプリンスとドラムを交代して(!)、ステージ前方でラップを披露したりも。
しかしラップよりも、透け乳首に目が釘付けに!(笑)
もちろん他のメンバーも芸達者ぞろい。
ミコ・ウィーバー(ギター)とレヴィ・シーサーJr.(ベース)が、演奏しながら踊る踊る!
故ボニー・ボイヤー(キーボード)もソウルフルに喉を震わせるし、ダンサーのキャットも踊るだけじゃなくてコーラスに寸劇にと八面六臂の活躍。
(エロい!)
Dr.フィンク(キーボード)やエリック・リーズ(サックス)やアトランタ・ブリス(トランペット)もパーカッションを担当するし…このバンドでは、担当楽器以外の何役をも求められるのであります。
スーツでビシッとキメたアトランタと、「スターウォーズ」のオビワン・ケノービみたいな格好のエリックの対比も面白い。
それにしても、やはりプリンス。
圧倒的な存在感。
歌うわ踊るわギタリストとしても超一流だわで、はっきり言って音楽的な才能はマイケル・ジャクソンを遙かに上回ると思うんだが。
(ギター・ソロはもっとやってくれてイイ)
しかしマイケルと違うのは、ポップ・スターとしてはあまりにもアクが強過ぎるんだよね。
まあ、そもそもマイケルと較べたりするべきじゃないんだろうけど。
(しかし、奇しくも同い年。二人とも1958年生まれ)
ともあれ、例えばマイケルがディズニーランドだとしたら、プリンスは…ディズニーランド並みの規模の“秘宝館”、みたいな(笑)。
違うか…いや、この映画でのステージ中の演出にも、プリンスとキャットの絡みがほとんど“セックスショー”みたいなところあるぞ。
逆に、というか…あれだけのアクの強さをきちんとエンターテインメントに昇華してポップ・スターやってるんだから、やはりただ者ではありません、プリンス。
何回か衣裳のチェンジがあるんだけど、最後に出て来た時のプリンスは、もうほとんど『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物みたいな…あっ、こっちが先か。
荒木飛呂彦の方が影響受けてるんだろうな。
…と思ったら、荒木氏が推薦コメント寄せてます、この映画。
(やっぱり!)
映画の尺は84分なんだけど、実際のショーは当然もっと長かったワケで。
プリンスのピアノ弾き語りでワンコーラスだけ歌われる「Little Red Corvette」を除いて、『SIGN“☮”OF THE TIMES』以外のアルバムからの曲は、ライヴで演奏されながらも映画ではカットされている。
(「Let's Go Crazy」は観たかったかもしれない。一方、プリンスにとって初の全米トップ10入りとなった「Little Red Corvette」はやっぱり外せなかったんだろう)
そして、シーナ・イーストンが客演した「You Got The Look」のPVが、ライヴの流れを妨げない形で上手い具合に挿入されていたり。
プリンス、この時点で29歳の誕生日を迎えて間もない頃。
とにかく強力なライヴだ。
実に脂の乗り切った天才の姿が堪能出来る一作。
この試写会に行く前も偶然FUNKADELIC聴いてたりしたんだけど、この映画見た後は興奮もそのままに、改めて黒人音楽のレコード/CD引っ張り出してみようか、という気分になってる今日この頃。
『プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムズ』、2014年1月25日(土)より渋谷HUMAXシネマ他で全国公開。
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(2024.2.9.改訂)