『世界の終わりの洋裁店』第5話と「ビッグコミックオリジナル」2号

ビッグコミックオリジナル.jpg『世界の終わりの洋裁店』第5話掲載の「ビッグコミックオリジナル」、本日発売。
今朝早くに早速買いました。

ここまで1話完結の形で、”死人”が跋扈して世界が終わってしまってから10年経ったN県S地区のあれこれを描いてきた『世界の終わりの洋裁店』。
今回も新キャラが登場してそれぞれの人間模様を見せる一方で、初めて1話完結ではなく、ストーリーが転がり始めた。

主人公・こうたが暮らす、10年孤立したままのS地区のインフラがどのようになっているのか、ある程度明らかになった。
車にしても電気にしても、社会インフラはもう何年も持たないのだろう。
そこに新たな危機が発生。
さてどうなるか。
それにしても、「ごはん食べてねなさい」とかの台詞回し、ああ、室井大資だなあ、と毎回クスッとするところがある。


で、『世界の終わりの洋裁店』の連載が始まってから、ビッグコミックオリジナルを毎号買っているのだが。
(『世界の終わりの洋裁店』が休載の時は買ってないけど)
いやあ、三國連太郎も西田敏行もいなくなっても、『釣りバカ日誌』は続いているんだなあ。
ハマちゃんはいまだヒラ社員のまま。
やまさき十三83歳、北見けんいち84歳ですってよ…。

そして『テツぼん』を連載中の永松潔(『ツヨシしっかりしなさい』の人)も明日で75歳とは。
『れむ』(今回載ってないけど)を連載中の山本おさむが来月71歳。
(この人はもっとトシかと思っていた)
『卑弥呼』(やっぱり載ってないけど)の中村真理子(『天使派リョウ』の人)ももう65歳なのか…。

ってか、別にお年寄りばかりの誌面でもないのだが。
あの(?)長尾謙一郎が普通の(?)漫画を描いているのに、改めて驚かされる。
『おしゃれ手帖』のあの人が…。
(絵もそれなりに上手くなっている…)
ってかカレー沢薫が”沁みる”漫画を描いているのにも。


ともあれ何より楽しみなのは『世界の終わりの洋裁店』の続きだ。

『世界の終わりの洋裁店』第4話

世界の終わりの洋裁店.jfif1回お休みだった『世界の終わりの洋裁店』(なので「ビッグコミックオリジナル」前号は買わなかった)、待望の第4話。

玄田洋裁店を引き継いだ主人公・こうた。
N県S地区の人々の暮らしを支えるのだ、と意気込むが。
死人になってしまった店主・玄田さんの生前には洋裁の実務をまったくやっていなかった彼が、いきなり使い物になるかというと…?

亡き玄田さんの盟友・どんちゃんは言う。
「”がんばってんのにむくわれない”時はな、がんばる方向がまちがってんだ。がんばるにもカン所が必要だぜ?」

思い当たる人は多いはずだ。
(俺を含めて)

今号のビッグコミックオリジナルには『人のために働く』という漫画の最終話が載っているが。
『世界の終わりの洋裁店』第4話にも、”人のために働くこと”の本質(のひとつ)が提示されているように思う。
「小さくても誰かによりそい誰かの救いになる仕事をする。そうすれば自分も救われるかもしれない」

働くのは基本的に生計を立てるため、そのために金を得るため。
しかしその過程では必ず誰かと関わり、誰かの暮らしに役立つことになる。
たとえば食べる物を売るのも、生計の手段だけでなく、食べる人のため。
巡り巡ってそれこそが自分のためでもあるかも知れない。

俺が売文業をやっているのも、俺が食べるだけでなく、読んでくれる誰かのため。
それがなかったら、多分面白い文章は書けないだろうし、今のように仕事が入り続けることもないだろう。
(ただしこのブログは違う。まったく一銭にもならないこのブログは、読んでくれている奇特な皆様のためではなく、基本的には俺自身のために書いている)

仕事を上手くこなせなかったこうたは、「次こそは…」と決意する。
しかし次がある保証はない。
玄田さんが言い残した通り、人は「明日、突然命を落とすかもしれない」のだから。
(世界が終わってしまったままのS地区ではなおさら)
それでも不条理に抗い、与えられた不確実な1回1回を試行錯誤しながら、誠実に生きていくしかない。
(カミュだ…)


『世界の終わりの洋裁店』、コピーには”人にとって衣服とは?”とあるが。
それだけでなく、すべての職業人(ひいては社会に出たすべての人)に読んでほしい逸品と思う。
今後も楽しみな作品だ。

『世界の終わりの洋裁店』第3話

世界の終わりの洋裁店.jfifビッグコミックオリジナルで絶賛連載中(多分)の『世界の終わりの洋裁店』。
20日発売の最新号に載った最新話。

新キャラ”照男さん”登場。
死人(しびと)が跋扈するようになって完全に孤立してしまったN県S地区の、副区長の息子。
生き残ることで精いっぱいのはずのS地区における、多分誰からもリスペクトされないであろう(?)ファッション番長。
一方で、銃を扱える”強者”のはずのどんちゃん(今回初めて本名が判明!)たちも敢えて”さん”付けする、ある意味ではめんどくさいであろう存在。

人口約800人とされる孤立したS地区。
約800人の中には、もちろんいけ好かない感じの人物もいるはず。
しかしどうかすると副区長の息子という”強権”を振りかざす(?)照男さんも、本当にいけ好かないチャラ男(??)には見えない。
何しろ隔絶・孤立したS地区、みんな生きるだけでいっぱいいっぱい。
そこにいるいかなる人物にも、それぞれに生きるための”理”があるというモノ。
(というか、それがなければ本当に絶望しかないだろう)

S地区での経済がどのように回っているのか…というのはそのうち明らかになると思っていたが、意外と早く、この第3話で(少しだけ)明らかになった。
予想通り、”配給チケット”が流通している。
それを作る印刷屋も今のところ生きているのだろうし、区長をはじめとする統治のシステムも一応ちゃんと働いているのだろう。
(でないと無法地帯だ)

その一方で、照男さんの「服はトレーディングカードじゃないんです!」という一言も印象的だった。
俺が愛好するレコードやCDもトレーディングカードと同じではなく、レコードも摩耗を恐れながら聴きまくるしかないモノだからだ。
照男さんは、間違いなく俺たち(”たち”って誰よ?)の側の人間だ。

死人が所持したままだったIDカードは、俺が今でも持っていないマイナンバーカード的なやつだろう。
そしてそれは、その死人の存在の証しともなった。

何が何やら、と思いながらそれでも生きている間は生きるのだ。
『世界の終わりの洋裁店』、今後も楽しみだ。

『世界の終わりの洋裁店』第2話

世界の終わりの洋裁店.jfifビッグコミックオリジナルの前号から連載が始まった、西尾雄太と室井大資の共同原作・マツダユカの作画による『世界の終わりの洋裁店』、5日に第2話が出た。

死人が蘇って人間を襲うようになり、世界が終わってしまってから10年。
その間世話になっていたN県S地区の「玄田洋裁店」で下働き(雑用)を続けていた主人公・こうた。
店主・玄田さんが死人にやられてしまい、洋裁店を継ぐことになったこうた…しかし何しろ仕立て屋としての実務はまったくやっていなかったのだから、どうなることかと思ったのだが。
出来ないなりに(?)玄田さんの教えを受け継ぎ、早速工夫を見せている。

死人の侵入を防ぐためのバリケードで囲まれたS地区は外界と完全に遮断され。
当然インフラはまるっきりガタガタのはず。
しかし玄田洋裁店が住人の衣服を直し続けているように、鉄工所では限られた鉄材を使って住民の生活を支え続けている。
(「おい、巻きでやらねえと納期間に合わねーぞ!」なんて声が飛んでいるのだった。あと、今回登場する”麻衣ちゃん”のルックスからして、S地区では美容院やピアス屋もまだ生きているっぽい)
そして、絶望的な状況の中でも新たな命は生まれ続ける。

長期的な視点では、多分やがて滅びるしかないはずのS地区。
しかし、すべての人は死ぬまで生きる。
絶望が約束された世界で、人はそれでも光を見ようとする。
わずかな光を、なけなしの希望を。

絶望しかないはずの世界に光を見ようとするこの作品。
滅びるしかないであろう世界を舞台として設定することによって、今の世に絶望を見ている人たちに「それでも生きろ、この世は生きるに値する」というメッセージを発している…のではないかと、個人的にはそう思っている。
(知らんけど)
別に泣かせに来ているワケではないのだろうが、何話か後にいよいよ泣かされるような気もする。
(知らんけど)
ともあれ今後がますます楽しみです。

手塚先生のミッド70's

三つ目がとおる.jpg死ぬほど忙しい、とかいう時に限って、PCの調子が悪かったりする。
特に、その日初めてPCを立ち上げてからしばらくが調子悪い。
再起動を繰り返すことになったり。

動かない画面をただ見つめていても仕方がないので、本棚から漫画を取り出して読んでみたりする。
今日は手塚治虫『三つ目がとおる』⑩。
”手塚治虫漫画全集”、1980年の初版。
少し前に、MONE¥i$GODのKANちゃんにもらったやつ。

収録されているのは、1975年夏~76年春にかけて少年マガジンに掲載された10編。
半世紀近く前の作品だが、今読んでも面白いねえ。

…で、手塚治虫、作中にけっこう時事ネタを突っ込んでくる。
それらを見ると、1975~76年、ああ、そういう時代だったか、となかなか感慨深い。

「まず最初は布施明のシクラメンのかほり」「つづいてポール・マッカートニーーとウイングスの演奏!!」なんて。
1975~76年というと、手塚治虫当時39~40歳。
(若い!)
ポール・マッカートニーとか聴いていたのかなあ。
そして写楽たちがテレビ局に行けば、野口五郎やキャンディーズが。
TVの画面の中には西城秀樹、桜田淳子、郷ひろみ、殿さまキングス、更にアラン・ドロンが「ダーバン」と言っている。

本屋に並んでいるのはギャートルズやたいやきくんの絵本や、『天才バカボン』の単行本。
(小さい絵だが、ちゃんとバカボンの絵やあのロゴが描き込んである。アシスタントの手になるモノか、それとも本人か)

金を巡る会話では、「わかった、おじさんね、ロッキードの人?」なんて台詞が。
少年マガジン1976年5月2日号掲載の「ガイコツ・ショー」。
ロッキード事件が明るみに出たのは76年2月のことであった。
7月には元内閣総理大臣の田中角栄が逮捕されている。
当時の総理大臣・三木武夫も登場。
(彼は12月に辞職)

和登サンが大暴れすると、「マッハ文朱の中学生版みたい」と。
1976年はマッハ文朱が17歳(!)の若さで引退した年である。
巨人・広島戦で打席に立つのはもちろん(?)王貞治。

時事ネタというか…作中に登場するバキュームカーは適当に描いたモノではなく、ちゃんと三菱ふそうのキャンターが描かれていたりも。
これまた時事ネタではないが、同業者の名前も登場する。
「梶原一騎なのだっ」とか。
水木しげるは名前だけでなく、本人が出演(?)。


一方で、当時ならではというか、今見るとアウトではと思うようなところも。
写楽が「ハイルヒットラー」と言ってたり。
コレ、後の版では修正されたんだろうか…。
手塚治虫が『アドルフに告ぐ』の連載を始めるのは、7年後である。


俺の手元にある1冊は1980年の版なので、カバーの裏にはもちろん存命・現役の漫画家として紹介されている。
(当時51歳)
更に、なんと住所まで記載されていたりして。
(コレもこの時代ならではだなあ)


奇しくも昨日・11月3日は手塚治虫の誕生日であった。
60歳の若さで逝った手塚先生(水木しげるによれば、ちゃんと寝てなかったからだということに)、存命であれば96歳。

天才の今

国民クイズ.jpg『ロダンのココロ』で知られる漫画家・内田かずひろが一時ホームレス状態だった…というのは、コロナ禍真っ最中の3年半ほど前に書いた話。
https://lsdblog.seesaa.net/article/202104article_15.html

で、こっちは昨日の「日刊SPA!」に載っていた話。
『国民クイズ』(画像)『バカとゴッホ』『惑星スタコラ』で知られる加藤伸吉が、現在は生活保護を受給しているという。

https://nikkan-spa.jp/2042261

マジか…。

30年ほど前に『国民クイズ』の連載が始まった時、「とんでもねえのが出てきたなあ…」と思った。
まあ『国民クイズ』は、原作者は別にいたんだが、加藤伸吉の絵のインパクトも凄かった。

それが、生活保護ですか…。
今度世に出る読み切りが、実に9年ぶりの漫画作品だとか。


俺の周りにも、特に知り合いとかじゃなくて、一度会って飲んだことがあるとかいう人も含めて、漫画家が何人かいる。
雑誌の表紙を飾ったりで大儲けしている人、作品が映画化されたりでかなり成功している人、堅調に仕事を続けている人、赤貧にあえいでいる人、今何をやっているかわからない人、廃業した元漫画家など。
超シビアなピラミッド構造、本当に大変な仕事だよなあ。
しかし加藤伸吉は、若い人にはどんどん漫画家を目指してほしいという。

ところで加藤伸吉って、STEELY DANのファンだったのね…。


ちなみに内田かずひろも活動を続けている。

[原作]西尾雄太・室井大資/[作画]マツダユカ『世界の終わりの洋裁店』

世界の終わりの洋裁店.jfif『レイリ』の作画(原作は岩明均)や『バイオレンスアクション』の原作(別名義だが。映画はひどかったなあ)で知られる室井大資の新作!…は、『下北沢バックヤードストーリー』『水野と茶山』の西尾雄太との共同原作、『ぢべたぐらし』『うずらのじかん』のマツダユカが作画という、コラボレーション作。
昨日19日(土)発売のビッグコミックオリジナルで連載開始。
早速昨日朝イチ(7時40分ぐらい)で買いましたわ。

しかし。
やっべえ、俺、室井大資以外の二人、ほとんど知らんわ…。
それはそれとして。

N県(多分長野あたり)の外れにある集落・S地区。
人口約800人の小さな集落で、「玄田洋裁店」を営む”クロちゃん”こと玄田さんと、下働き(雑用係)・こうた。
S地区の住人の服飾関係は、玄田洋裁店が一手に引き受けていた。
何故なら、10年前に死人(=”やつら”)が蘇って人間を襲い始め、世界が終わってしまい(!)、いわゆる量販店などで服を買うことは不可能になっていたから。

花沢健吾から相原コージまで、幾多の漫画家が手掛け、最早出尽くした感のある”ありふれた”ゾンビもの…のジャンルに、室井大資・西尾雄太・マツダユカのチームは、また新たな切り口で斬り込んだ。
それがどんな内容なのかは、コンビニとかで買って確かめてください。
(もう読んでる人も多いと思うけど)

主人公・こうたがヘッポコ過ぎて(?)、ぶっちゃけ今後の展開が読めないんだけど。
”たとえ世界は終わっても、人は死ぬまで生きていく。”という扉絵のコピーに明らかな通り、絶望的な状況の中でも人生を肯定出来るような(カミュだ…)、日々を負けながら生きているような人たち(俺か?)になけなしの希望を見せられるような、そんなお話になるのでは…と予想している。

このセリフやこの動きはいかにも室井大資だなあ、とニヤリとするところが幾つもある。
一方室井のインプットではないのでは、と思う部分も。
(そこはもちろん西尾雄太のセンスだろう)
そして、極めてシンプルな絵柄で実に多くを伝えてくれるマツダユカの作画。
(構図などはネームの段階で原作二人の意向も入っているだろう。ともあれ今回の28ページ・29ページの対比や、あと37ページとか舌を巻く)
玄田さんと”川上さんの奥さん”の関係性を、直接説明することなしに3ページでわからせるとかも、ストーリーテリングの巧みさと無駄のなさは実に素晴らしい。

何故この3人が組んで、何故このようなお話になったのか…は、以前このブログで室井大資のインタヴューを掲載したこともあるし、出来れば改めて室井本人に話を聞いてみたい、と思っている。
(もう3年会ってない)
ともあれ『世界の終わりの洋裁店』、是非読んでみてください。

[原作]ムラマツヒロキ・[漫画]川島よしお『まりあず-Revenge of Rock'n'Roll Sisters-』01

まりあず.jpg13日発売だったのだが、何処の本屋に行っても見つからず。
19日に新宿の紀伊国屋書店でようやくゲット。
(紀伊国屋書店では面出し・ポップ付きで陳列されていた)

『DJ道』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201807article_11.html:ありゃ、もう6年も前なのか…)他で知られるDJ漫画家・ムラマツヒロキが原作を担当し、川島よしおが作画を手掛け、昨年秋田書店の「ミステリーボニータ」で連載開始となった作品、初の単行本。

10代にしてアイドル・バンドBRAIN DRAINでメジャー・デビューを果たした仲間莉愛。
しかしいろいろあって、自身が結成したバンドからあっけなく放逐され、現在はシングルマザーで(バンドをクビになってから何があった…)、スーパーのパート店員として、鳴かず飛ばず以下の生活を送っている。
(食事は小学校低学年の息子が用意する)
それでも彼女の中には、今も秘めたロック衝動が渦巻いていた。
そこにバンド経験ゼロながら天性の声を持つ本郷真理亜と、凄腕小学生ドラマー(ただしライヴ経験はなし)甘利茜が現れ、いきなりバンド活動再開が現実のモノとなるのだった…。

…というのが超ざっくりしたあらすじ。
へえ~、あのムラマツヒロキ先生が女性誌(?)でこんなお話をねえ。

作画の川島よしおという人は、まったく知らなかった。
検索してみたら、なんと1969年生まれ、95年デビューという。
ヴェテランじゃん!

その川島よしお、柔らかい線で、何処かエロティックでもある絵柄。
ムラマツヒロキによるストーリーがまず面白いとはいえ、ムラマツ本人の絵だったらこの味わいは出まい。
このタッグ、成功していると思う。
(茜ちゃんはもうちょっとかわいい造形でもよかったと思うが…)

何よりも、随所に現れるムラマツヒロキのロック愛と造詣の深さ。
BRAIN DRAINというバンド名に、RAMONES以外のあれこれも連想する人は少なくないはず。
歌詞に登場する”溺れる魔女””運命の翼””ペインキラー””モルグ街のラストチャイルド”などのマニアックな(?)ワードに反応する人も多いのでは。

さて新生BRAIN DRAINはどうなるか。
(多難そう…)
続きを楽しみにしたい。

ファンタジーあるいは消えた漫画家

FOOL'S MATE.jpg仕事がどうにかギリギリ進捗ペースを上回っているので、合間に昔のFOOL'S MATEなんか読み返していたんですよ。
(画像)
1980年3月のVol.11。
ほえー、44年前!
当時は「ぱふ」の増刊だったんだな。
俺が入手したのは確か86年頃で、このブログに時々名前が出てくる南郷7丁目の「文教堂書店」で買ったのだった。
表紙の裏に文教堂書店の値札シールが貼ってある。
350円。
さっきネットで検索してみたら、今でも1000円ぐらいで入手可能みたい。

特集は”ファンタジィ パートⅡ”。
パートⅠは1年前のVol.4だったそうで。
(当時のFOOL'S MATEは隔月刊)

巻頭の記事は図版を豊富に用いた、ファンタジー・アートの記事。
朱嶌摩彦という人が力の入った文章を書いているが、今その名前で検索してもまったく何も引っかからない。
で、掲載された図版の中に、漫画家・内田善美による「天使之図」があり。
ページの隅を見ると、”資料協力:内田善美”とある。
内田善美って、当時FOOL'S MATEとつながりがあったのだろうか。
それとも寄稿した朱嶌摩彦氏と親交が?

内田善美か…。
近年どうしているのだろうと思って、これまた検索してみたが。
1984年の読み切りを最後に、漫画は描いておらず。
87年に「ぶ~け」他にイラストが掲載されて以降は、完全に消えてしまったらしい。
それから既に40年近く。
単行本は一切復刊されていないとのこと。
あの有名な『消えたマンガ家』シリーズでも、取材を拒否されたという。

朱嶌摩彦の記事では、日本のコミック界におけるファンタジーの担い手として、大島弓子、大矢ちき、めるへんめーかー、山岸涼子、高野文子、大友克洋、ひさうちみちお、ますむらひろしと並び、内田善美の名前が筆頭に挙げられている。
御覧の通り、現在では大御所として知られる人もいれば、とんと名前を見かけなくなった人も。
(そして今では”ファンタジー”と縁遠そうな人も)
余談だが、山岸涼子の現時点での最新作『レベレーション(啓示)』の最終話では思わず泣いてしまった。

話を戻すと、FOOL'S MATE Vol.11が刊行された時点で内田善美は26歳。
存命であれば現在70歳となる。


たまたま思い付いたので検索しながら書いた話。
特にまとめない。
BGMはGENESIS『FOXTROT』。

令和のJUMP

少年ジャンプ.jpgワケあって、数年ぶりに「少年ジャンプ」の最新号(画像)を読んだんですわ。
隅から隅まで読んでたら、5日かかった。
紙質も印刷も、日頃読み慣れた青年誌に較べると随分落ちるし、何しろ字が小さいんで老眼にはつらい…。
しかしこんなに分厚くていっぱい読むところあるのに、「スピリッツ」480円に対してジャンプ290円。
お得感はあるかも。

で。
『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』『呪術廻戦』以外は初めて読む作品ばっかりだったんだけど。
今のジャンプ…この、キャラクター名の難読ぶりは一体…。
(他の少年誌もそうなの?)

「涅森蒼葉」(くろもり あおば)、「宿儺」(すくな)、「空天雪」(そら たかゆき)あたりはまだイイ(!)として。
「脹相」(ちょうそう)とか「虎杖悠仁」(いたどり ゆうじ)とか「膾商」(なます あきな)とか「徐」(おもむろ)とか「縊梨」(くびなし)とか。
それどころか、PCで打ってても変換候補すら出ないような名前がザラに…。

技の名前とか含めて、そこまで複雑な漢字が、本当に必要なんですか?
俺も児童向けの漫画原作の仕事とかたまにやってるけど(今まさにその真っ最中)、キャラクターにヘンな当て字の名前(でも、ストーリーに関係がある)を付けようとするのを一生懸命抑えて、単純なカタカナの名前とかにしてる。
(ハヤトとかホノカとかさ)
ひょっとしてヘンテコな(!)難読な漢字の名前にした方がイイの?…とか思っちゃったりして。
(そもそも今のジャンプの読者層ってどのあたりなんだろう…)


…ところが、現実の子供の名前のランキングとかも、なんか凄いことになってるわねえ。
前から言ってるけど、キラキラネームとかいって、読めない漢字とか、その子供がジジイやババアになった時のことを考えないような名前とか、ちょっと考えた方がイイのでは?
まあそれは漫画とは直接関係ないけどさあ。